皆さんは道を歩くときにどこを見ながら歩きますか?私は人と目が合うのが苦手なので、周囲の安全を確認しつつもなるべく伏し目がちに歩いてしまいます。そのため落とし物や段差、汚れなど地面の様子によく気がつきます。その中で特に気になっていたものがありました。それは道に埋まっている大きなネジのようなものやプレート状の金属です。不規則に埋まっているあの金属には一体どのような意味があるのか疑問に思っていたところ、その正体を知る機会が急に訪れました。先生の測量に同行した際に、なんと先生があの金属プレートを埋めていたのです!



金属の正体
あの金属は『境界標』といい、基本的に土地家屋調査士や測量士などが土地の境界点に設置するものだそうです。『境界標』の種類には金属鋲、金属標(プレート)の他にもコンクリート杭、プラスチック杭、石杭などがあり、刻まれている十字線の中心や矢印の先端が土地の境界点を示しています。そして、この境界点と境界点を結んだものが土地の境界線となるそうです。土地の境界線が直線でない場合は曲がり点ごとに『境界標』を設置するので、間隔が狭かったり広かったりと不規則に並んでいるように見えていたことが分かりました。他にもよく観察してみると、道の上だけではなく家の敷地と道路との境目や隣の敷地との間などにも設置されていることに気づきました。『境界標』は測量した土地側の敷地内に設置されるので、設置されている場所や刻まれている印を見ることで、どの土地が測量されているかを判断することもできるそうです。
境界標の必要性
確定測量を行い『境界標』を設置すると土地の形状や面積が明確になり、土地の売買や相続の手続きを迅速に行うことができます。また、隣地との境界争いや越境を予防することもできます。しかし、境界標がすでに設置されている場合でも安心はできないそうです。今ある境界標が正しい位置とは限らないからです。災害や道路工事などで位置が動いていたり、抜けてしまったものを適当な場所に埋め直されていることもあるそうです。ちなみに、設置されている境界標を無断で壊したり、撤去したり、別の場所に移動させたりして故意的に境界を分からなくした者には、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。(刑法第262条の2 境界損壊罪)『境界標』の設置や位置の確認には測量が必要になりますので、お困りの際は土地家屋調査士にご相談ください。
杭を残して悔いを残さず
土地の所有者には『境界標』を必ず設置するという義務はありませんが、設置されていない場合は隣接土地所有者との境界認識の違いでトラブルが起きることもあるそうです。土地の境界は目に見えないので、この『境界標』は隣の土地との境を示す重要な目印になっています。「杭を残して悔いを残さず」という土地家屋調査士業界の標語があります。『境界標』を設置する際には、境界点が接する土地の所有者全員との協議が必要になります。隣地の土地所有者と境界の認識を合わせておくことでトラブルを未然に防ぎ、自分の土地を安全な資産にするためにも『境界標』の設置はとても大切だということが分かりました。


